トゥルーへの手紙
2005.10.18 Tuesday*
犬映画として見ようと思ったらこける。ではドキュメンタリーか?
一部は。しかしこれはあくまでもコマーシャルフォトのようなものだ。
反戦と平和とゲイがテーマ。そしてブルース・ウェーバーにとって、犬たちの存在は何ものにも変えがたいようだ。
戦場に散った写真家ラリー・バローズへのオマージュや暗殺された黒人解放運動家のM.R.キングへのオマージュがちりばめられる。またアメリカのドラマ史上に燦然と輝く名犬リンティンティンやラッシーのセンチメンタルなコラージュ。
だがこれらの切り取りは、決して古き良きアメリカの良識を懐かしむものではない。昔からアメリカは間違いを犯してきた、といいたいのではないだろうか。
本来大事にされるべきものの価値が、あの9.11の後では変わってしまった。そしてそのことを敏感に感じ取ったブルースは、トゥルーたちの身を案じてこの手紙を書き始めた・・・
もしこの映画を見た人が幸せなゴールデンの笑顔を好きになり、それがいつまでも続くことを祈るなら、この映画はなんとか反戦映画の面目を保てそうだ。